躁鬱患者ひーちゃんのリハビリ読書録

読んだ本について書いていきます。中には読破できた、楽しかったしか書けないときもあると思いますがそれでいいのです。無理せずのんびり感想なりなんなり書けることを。壁打ち状態!

幻想小品集…嶽本野ばら(3)

 ここから先はなんかもう狂気じゃん?って感じでした。なかなか書くの難しいです(いつも言ってる)。ですがマトモじゃない雰囲気・世界観が私は大好きです。

 

④「Pearl  Parable」・・・ちょっとだけ化学に詳しくなれんじゃない?の章。語り手の特殊なところは良質な真珠を見つけ出すことではなく新しく真珠を宿す貝を見つけること。商人ではなく学者として。そしてそれが特異体質を持つ女性…どこで育てたものなのか、それは皆さん是非この本を読んでくださいませ。本当にそんなことができるとは思いません。でもこの本だからこそもしかしたらと思い、クレオパトラが政治的手腕を見せつけたエピソードで彼女自身が真珠の宿主になれていたと思わされるのです。

 

⑤「Somnolency」・・・飛ばしていた章がありました。ちょうどこれも研究者の話だったのでここに書いておくことにします。ここでの主人公K医師は真珠を作りたいなどというほどの探求心を超え、人体実験で研修医を殺めてしまいました。詳しい研究内容、出てくる病気の話は省きますが、K医師は眠り薬を開発したのです。病気を治すという目的を超え、生命を危険に晒さず醒めることのない嗜眠だけを手に入れられる薬を。しかし一定期間しか眠れないようにする薬にしようと成分の量を変えた結果研修医は死亡します。その後研修医の恋人がK医師のもとを訪れ、眠り薬を要求し、K医師は会話を交わした後慰めることも詫びることもせず薬を手渡します。どこか怖いですよね。倫理を超え、彼女の言葉に納得すれば薬を渡し彼女は恋人のいなくなった世界の時間を止めてずっと眠り続ける。でもそこにロマンチックさも感じるのです。もしあなたがいなくなってしまったら、私もK医師のもとを訪れ薬を淡々と要求することでしょう。

 

 あと二つになりましたけどもしかしたら飛ばしてしまうかもしれません。私は恥ずかしがり屋です。内容もなかなかのものでしたし読み込みもまだ足りてないと感じるので書ける時が来たら書こうかと思います。