躁鬱患者ひーちゃんのリハビリ読書録

読んだ本について書いていきます。中には読破できた、楽しかったしか書けないときもあると思いますがそれでいいのです。無理せずのんびり感想なりなんなり書けることを。壁打ち状態!

タイマ…嶽本野ばら

 幻想小品集の後の部分はちょっと飛ばします~!!感想書くの難しかった。とりあえず読破できたのでよしとします。

 はい読み終えました~!!友達が勧めてくれた本の中の一つです。というか嶽本野ばらを読もうと思ったのがその大事な友達であります。

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 これ最後に現実の事件を題材にしておりますがフィクションですっていう旨が書いてあるんだけどここまでリアル(だと思わされる)に書かれるとどこからが実際にあったことでどこからがフィクションなのかわからなくなります。でもそれでいいんだと思います。作家にとっては真実だと思うから、それについて書くのはきっと野暮ですね。

 本人が実際大麻所持で逮捕されたんですよね。ずいぶん前のことだと思うので私はその時まだ小学生やそこらだったので当時どのように報道されていたのかは知りません。ただ復帰第一作での本が『タイマ』とは。パンクの意味も適切に理解できてない私ですがパンクでぶっ飛んでて好きだなと思いました。パンチありすぎやろ。まぁ勿論私は違法行為はしてませんしするつもりもありません。だけど心の片隅で私の抑圧されていた部分が暴れだし憧れを抱くのです。『下妻物語』の回でも書きましたが振り切った生き方に憧れを抱かずにはいられないのです。でもさ、ラリった状態で外に出ちゃあいけませんよ、嶽本さん(そういう問題じゃないけど)。

 大麻所持で逮捕されて「君」ことあいちゃん(関谷美和子)に会えなくなった「僕」は彼女や他の女性たちとの日々を思い出しつつ房で生活し様々な取り調べを受けることとなります。後に釈放、あいちゃんに再会した…のですが彼女は自分が大麻に手を出していたことを知ると(大麻と見分けがつかず)覚せい剤を使用してしまい、彼女もまた逮捕されてしまいます。

 これ悲劇で終わるのかなって思ってたらそうじゃないんですよ。破滅の美かと思っていたら違うの。むしろ光が差すようなかつロマンチックさも練りこまれた印象を受けました。かなり驚きました。

 二人の愛はただ趣味嗜好の合致ではなく同じ悲しみ、怒り、闘い、反抗心といった負のエネルギー(と言っていいものか)が作り上げたものでした。読んだ時わかる…わかるわ…って感動したのを覚えています。私の場合は友情(愛があることに変わりはないけど)です。同じ負の感情を持っていて私は行動に移せなかったけど同じ空を見上げていた人に会うと離れたくないと感じます。

 小説を読んでてやっぱりいいなあと思うのはあいちゃんとの交流が描かれているときと取り調べを受けたり房で生活していたりの描写では全く色が違うのです。紙の色が変わってるんじゃないかってくらい色が見えるんです。やはり私は読書が好きなんですね。この感覚を取り戻せたのは良かったと思います。

 私がもっとファッションや音楽(カートとコートニーなど)に詳しければよかったんですけどそこは小説の中の一要素として捉えて読んでいました。出てきた人の名前は一応調べましたが曲はまだ聞いていません。聞く機会を設けられるかはわかりませんが興味はあります。こうして広がっていくから本を読んだり舞台を観たりするって大事なんだなと思いました。それにしてもなぜロックスターは27歳で亡くなってしまうのでしょうね。

 とりあえず結構すらすら読めて苦じゃなかったです。でも絵の解説書はまだ読めません…。注意欠陥がひどいので絵を読み解くのが難しく感じます。

 私はすっかりこの人の本が好きになってしまいました。うまく表現できなくてもどかしい時もありますが。次は何を読もうかな。しばらくの間はお話が読めたらいいかなと思っています。『ミシン』でも借りて来ましょうか。中山可穂さんの本もおすすめを教えてもらったので読んでみたいです。